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2020年5月

2020年5月 4日 (月)

以心崇伝の註

道灌と深い親交があった万里集九の「梅花無尽蔵」は、

漢詩として優れているだけでなく、万里集九自身が書いた註もあり、

歴史的な資料ともされています。

 

しかし、「新安書簡」という新井白石と安積澹泊(あさかたんぱく)の書簡集の中に、

「梅花無尽蔵」の註には「以心崇伝が書いたものが混じっている」と

いう指摘があるというのです。(「万里集九」中川徳之助より)

 

以心崇伝とは有名な方広寺の鐘の「『国家安康』は、家康を呪っている」と

いう苦しい難癖を考えた人として名高いですが、どうやらそれは嘘のようです。

 

しかし、難癖自体はあったはずで、鐘の文章の草案は臨済宗の南禅寺の長老であるにもかかわらず、

彼は長老を助けるでもなく、その難癖説に積極的に賛成していた(少なくとも反対はしていない)のですから、

どんなスタンスの人物か、わかると思います。

 

新井白石は、

「芳林主人叔悦和尚道灌叔父也。芳林院今号金剛寺」について

前者は別の詩の註を写して書き入れたもの。

後者は以心崇伝の筆。

と断定しているのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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